全国仮設安全大会in東京開催 安全衛生部長通達法制化へ前進

お知らせ
2009(平成21)年11月18日

安全衛生部長通達法制化に大きく前進

『全国仮設安全大会in東京』を開催

 全国仮設安全事業協同組合は11月17日、東京・港区の「建築会館」で、「全国仮設安全大会in東京」を開催、国会議員・行政機関幹部・地方自治体・ゼネコン・組合員ら約700名が参集しました。

 大会では、「人の命を大切にする友愛政治の実現を」と題する決議文を採択、①手すり先行足場及び足場の安全点検など、安全衛生部長通達の内容の全てを直ちに法制化②労働基準監督署は、上記安全衛生部長通達の実施を徹底するよう現場監督指導を直ちに強化③いわゆる「一人親方」は制度的に労働者として位置の三項目について国に要望していくことを決議しました。

 冒頭、大会実行委員長である森田豊関東支部長は、「組合調査データによると、安全衛生部長通達に明記されている手すり先行工法の実施率は民間工事では5%で極めて低い」ことを指摘、「安全衛生部長通達にある手すり先行足場と専門家による足場の安全点検を法制化しなければ足場の安全は守られない」と挨拶、続いて小野辰雄理事長は、安全衛生部長通達は本来遵守すべきであり、労働基準監督署が厳しく指導すべきであるにもかかわらずほとんど守られてない現状を厳しく批判、是非とも安全衛生部長通達の完全実施を国に求めていく方針を語りました。

 大会では、政府・与党からメッセージが寄せられました。鳩山由紀夫内閣総理大臣からは、「建設現場において、墜落災害により毎日平均20人以上の方が死傷されている現状は早急に改善しなければなりません。国民の生命を守ることは政治の一番の仕事という思いを強くしております」、小沢一郎民主党幹事長からは、「安全安心の現場が確保されるよう心からお祈り申し上げます」、阿部知子社会民主党政策審議会長・衆議院厚生労働委員会委員からは、「未だに足場からの墜落・転落事故が絶えません。これは墜落・転落事故防止のための厚労省「部長通達」が十分守られていないためです。この「部長通達」を義務化することは極めて当然のことと思います」とのメッセージがそれぞれ寄せられました。また、直嶋正行経済産業大臣、高橋千秋経済産業政務官、前原誠司国土交通大臣、原口一博総務大臣からも祝辞が寄せられました。

 さらに、公務ご多用中にもかかわらず、ご来賓として国会議員3名の方々がご列席されました。まず、川内博史民主党衆議院国土交通委員長からは、「党をあげて安全衛生部長通達の法制化に邁進することを確約します」、山下八州夫民主党参議院国土交通委員会委員は、「政治家として法制化に取り組む」、亀井郁夫国民新党副代表文教科学委員会委員は、「与党三党で法制化を実現したい」とそれぞれご挨拶されました。与党三党が安全衛生部長通達の法制化について極めて前向きな姿勢を示したことで今後、安全衛生部長通達の法制化は大きく前進することが確実になりました。

 安全衛生部長通達は、ハード面では、足場の全段に二段手すりとつま先板(幅木)を設置する「手すり先行工法に基づく働きやすい安心感のある足場」で、ソフト面では、仮設安全監理者等足場の点検について十分な知識・経験を有する者を事業者が指名し、点検には、足場の種類・機材に応じた専用チェックリストを使用し、チェックリストには、点検者の職・氏名を明記することにあります。すでに、足場の点検及び点検結果は、現場終了まで記録・保存することが改正労働安全衛生規則で明記されているものの、今回の組合の調査では足場点検の実施率が著しく低いものとなっています。

 安全講和では、國松孝次認定NPO法人救急ヘリ病院ネットワーク理事長がユーモラスを交えながら、「ドクターヘリとの出会い」についてご講演頂きました。このほか、イベント広場で安全点検の紹介や手すり先行工法に基づく働きやすい安心感のある足場の組立・解体の実演、墜落落下実験などを実施しました。

●大会資料はこちらから
大会式次第
大会決議
内閣総理大臣 民主党代表 鳩山由紀夫 様 メッセー
民主党幹事長 衆議院議員 小沢一郎 様 メッセージ
社会民主党 衆議院議員 阿部知子 様 メッセージ

●来賓祝辞
民主党 衆議院国土交通委員長 川内博史 様
民主党 衆議院国土交通委員会委員 山下八洲夫 様
国民新党副代表 参議院文教科学委員会委員 亀井郁夫 様
経済産業大臣 直嶋正行 様
国土交通大臣 前原誠司 様
厚生労働大臣 長妻昭 様
総務大臣 原口一博 様
全国建設労働組合総連合書記長 古市良洋 様

●挨拶
全国仮設安全事業協同組合 関東支部支部長 森田豊
全国仮設安全事業協同組合 理事長 小野辰雄

●特別講演
「ドクターヘリとの出会い」 國松孝次氏(認定NPO法人救急ヘリ病院ネットワーク 理事長)

●大会新聞記事はこちらから

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